トイレのトラブル 水まわりトラブル別の対処方法

トイレタンクが常にチョロチョロ…2ヶ月で水道代が1万円以上増えた実録【ヒカリモード】

要約

築15年の賃貸マンションに住む28歳・Aさんが、トイレ使用後もタンクからチョロチョロと水が流れ続ける症状を2ヶ月放置した結果、水道代が約1万2千円増加。原因はフロートバルブのゴム部分の劣化で、水道局指定工事店に依頼しフロートバルブ交換により解決。作業費・部品代込みで1万4千円ほどかかった。

「気のせいかな」と思ったのが、そもそもの間違いだった

去年の秋口、10月に入ったあたりのことだった。夜、洗面を済ませて部屋に戻ろうとしたとき、トイレのドアの隙間からかすかな水音が聞こえた。レバーを引いてから数分は水が流れるのは普通のことだ。ただそのときは、流れが止まるのがいつもより遅い気がした。

「完全には止まっていないのかも」と感じながらも、特に床が濡れているわけでもなく、見た目には何も異常がない。忙しい時期と重なっていたこともあって、「タンクへの給水が終わるのにちょっと時間がかかっているだけだろう」と自分に言い聞かせた。住んでいるのは東京都内の築15年の賃貸マンション、1Kの一人暮らし。古い建物ではあるけれど、これまで水回りで困ったことはなかったので、深刻には受け取っていなかった。

症状が「常時」になるまで、思ったより時間はかからなかった

最初は使用直後にだけ気になる程度だった。それが10月の半ばを過ぎると、トイレを使っていないタイミングでも、耳を澄ますとチョロチョロという細い水音が聞こえるようになった。夜中にトイレへ行くと、音が静寂の中でやけにはっきり聞こえる。

タンクのフタを外して中をのぞいてみた。水が静止しているように見えて、よく見ると水面がわずかに揺れている。ゆっくりと、でも確実に水がどこかへ流れ出ている様子だった。タンクの内側の壁に手を当てると、ひんやりとした湿り気を感じた。止まらずに流れ続けているということは、その分だけ給水も続いているということになる。「これは放置していいものではないかもしれない」と思ったのはこのときだが、すぐに行動したかというと、そうではなかった。

自分で試してみたこと、そしてその限界

インターネットで症状を調べると、「フロートバルブの劣化」か「ボールタップの不具合」が多いと出てきた。まずは自分でできそうなことから試してみることにした。

タンク内の部品を目視で確認すると、底部にある黒いゴム製のフロートバルブ(排水弁のふたのような部品)が、わずかに浮き上がっているように見えた。手で押し込んでみると、一時的に水音が止まった。「これで直った」と思ったが、手を離すとまた同じ状態に戻ってしまう。ゴム部分を触ると、指に黒ずんだ汚れがついた。経年でゴムが硬化・変形していることは素人目にも見てとれた。

次に、タンク内をきれいにすれば密着が改善されるかもしれないと考え、タンク洗浄剤(市販の錠剤タイプのもの)を使ってみた。ただ、これは水垢やカビを落とすものであって、変形したゴムの弾性を取り戻せるようなものではない。洗浄後も症状はまったく変わらなかった。

フロートバルブ自体を交換すればいいのでは、と思い、ホームセンターで部品を探した。ただ、トイレのメーカーや型番によって適合する部品が異なること、取り付け方を誤るとかえって水漏れが悪化するリスクがあることを調べているうちに、「ここは専門の人に頼む方がいい」という判断に至った。賃貸ということもあり、自己判断で内部部品を交換して状況を悪化させた場合の責任の問題も、頭をよぎった。

やってはいけない対処・悪化につながる行為

自分が調べる中で、「これは危険だった」「やらなくてよかった」と思った対処法がいくつかあったので記録しておく。

  • タンク内の部品を力任せに引っ張る・外す:フロートバルブやボールタップは、慣れていない状態で無理に外すと、接続部分が破損して水が止まらなくなるケースがある。「なんとなく外れそう」という感覚だけで触るのは危険だと業者にも言われた。
  • タンク外側のナット・配管に触れる:タンクと便器をつなぐボルトや、給水管との接続部分を締め直そうとして、逆に緩めてしまったり亀裂を入れてしまったりすることがある。素人が触っていい箇所とそうでない箇所の区別は難しい。
  • 水音を「どうせ少量だから」と長期放置する:これが今回最大の失敗だった。チョロチョロ程度に見えても、24時間止まらず流れ続ければ相当な量になる。2ヶ月で1万2千円増という実害が出た以上、「少量だから」という判断は通用しない。
  • 市販の防水テープや接着剤でゴム部分を補修しようとする:ゴム製部品は水中で常に動いているため、テープ類での応急処置はほぼ機能しない上、かえって他の部品の動きを妨げる可能性がある。

2ヶ月後の請求書で、ようやく事の重大さを知った

症状に気づいてから放置すること約2ヶ月、12月初旬に水道の検針通知が届いた。前回と比べて使用量が大幅に増えており、請求金額は通常の月より約1万2千円多かった。一人暮らしで使用パターンが変わったわけでもないのに、この差はほぼトイレの水漏れによるものだろうと推測できた。

通知書を手にしたとき、「もっと早く動いていれば」という後悔が先に来た。10月に最初に気づいたとき、あるいは10月半ばに症状が常態化したときに動いていれば、少なくとも1か月分の増加は防げたはずだ。

業者への依頼:選び方と実際の流れ

まず、賃貸物件であることから管理会社に連絡するのが筋だと判断した。ただ、管理会社経由だと対応に時間がかかる場合もある旨を電話で告げられたため、自分で業者を手配することについて了承を得た上で進めることにした(費用精算については後日相談)。

業者を探す際に意識したのは、「水道局指定工事店」かどうかという点だ。自治体から認定を受けた業者であるため、一定の技術水準と信頼性の担保がある。東京都水道局のウェブサイトから指定業者を検索し、複数社に電話した。確認したのは以下の3点。

  • 見積もりは無料か、有料の場合はいくらか
  • 見積もり後に断っても費用は発生しないか
  • 深夜・休日割増など追加料金が発生する条件はどこか

平日の昼間に連絡したため、当日の午後には来てもらえることになった。到着時間の目安を事前に聞いておくことも、待ち時間の予測という意味で助かった。

作業内容・時間・費用の内訳

業者の方が到着してまず行ったのは、タンク内の状態確認だった。フタを外してしばらく観察し、「フロートバルブのゴムが経年で変形・硬化しており、完全に密着できていない状態」と説明してくれた。私がインターネットで調べて推測していた原因と一致していた。

ボールタップ(給水を制御する部品)については「今のところ機能しているが、同じ年数が経過しているので、近いうちに交換が必要になる可能性がある」という話もあった。ただし今回の症状の直接原因ではないとのことで、まずフロートバルブの交換のみ実施する形をすすめられた。

項目 金額(税込)
出張・基本料金 3,300円
フロートバルブ交換(作業費) 6,600円
フロートバルブ部品代 4,180円
合計 14,080円

作業自体は30分ほどで終わった。交換後にタンク内の水の動きを確認し、流れが止まることを一緒に確認してから作業完了となった。あのチョロチョロという音が消えたことを、そのとき初めてきちんと実感した。

原因について:業者の説明と自分が確認したこと

業者の説明によると、フロートバルブのゴムは使用頻度や水質、設置環境によって劣化速度が異なるが、一般的に10年前後で交換が必要になるケースが多いとのこと。今回の物件は築15年であり、少なくとも交換された形跡は確認できなかったという。

外されたフロートバルブを見せてもらったが、ゴムの縁が明らかに変形していた。新品と並べると、密着面の形状がまるで違うことがわかった。この変形があると、水を堰き止める役割を十分に果たせなくなる。

なお、「ゴムの劣化以外の原因(タンク内の異物や、ボールタップの誤作動など)もゼロではない」と業者は付け加えていた。今回のケースでは交換後に症状が解消されたため、フロートバルブの劣化が原因だったと考えられるが、すべてのケースで同じ原因とは限らない点は念頭に置いておく必要がある。

この経験から整理できたこと

トイレの水音というのは、日常の中に溶け込みやすい。使用後しばらく音がするのは正常な範囲内なので、その延長として認識してしまいがちだ。ただ、「止まるはずの音が止まらない」という状態は、正常ではない。

2ヶ月で1万2千円の水道代増加と、修理費1万4千円。合計で2万6千円以上が、放置の代償だった。修理費そのものは、症状が出た時点で動いていても同じくかかっていたはずのお金だ。つまり純粋に「放置によって余計にかかったコスト」は、水道代の増加分ということになる。早めに動けばよかったと、今は素直に思う。

賃貸住まいの場合は、まず管理会社へ連絡するという手順を忘れないようにしたい。業者を自分で手配する前に一報入れておくと、費用の取り扱いについて後からもめることが少なくなる。今回は結果として自己負担になったが、建物の老朽化が原因と認められるケースでは、オーナー負担になる場合もある。

※本記事は、提携業者様からご提供いただいたエピソードをもとに、個人が特定できないよう当サイト独自に脚色を加えています。
類似のケースであっても、状況や地域に応じて対処方法や金額が異なる場合があります。

-トイレのトラブル, 水まわりトラブル別の対処方法